2年生になってから、担任が若い男の先生に変わりました。
その先生との出会いが、ひとつの ”きっかけ” だったかもしれません。
先生は苦労して教師になった人で、夜間大学に通っていたそうですが、
教育には情熱を傾けていて、いつも熱心な授業をしていました。
まりあのことを、とてつもない可能性を秘めた生徒だといって、
「将来が楽しみだ」 と言ってくれたことを、よく覚えています。
自分のことを認めてもらえたのは、とてもうれしかったのですが、
残念ながら、高校受験に関する期待には、こたえられませんでした。
まりあには、”受験勉強をする意味” が、わからなかったから。
その時はまだ、自分の将来像がハッキリしていなかったので、
なにを勉強すべきか、見えていなかった。。。という理由もありますが。
だから、成績はクラスでも上位ではあったけど、トップではなかった。
なのに、先生はまりあの能力を見抜いていて、もっと勉強すれば、
県立でトップの高校に合格できると、励ましてくれたんです。
それでも、まりあはね、受験勉強にはまったく関心がもてなくて、
けっきょくは、自分の偏差値に合った、高校を選びました。
先生の期待にこたえられないのは、申し訳ないと思ったけど、
トップの高校へ行けば、幸せになれるとは、とても思えなかったのよ。
秀才ばかりの集まる学校で、自分にムリをしたくなかったしね。
3年生のときに、周囲から ”問題児と見られている” 女の子が、クラスにいました。
その子はね、口のきき方が少し乱暴で、勉強は得意ではなかったけど、
運動神経にとても恵まれてね、スポーツはなんでも上手でした。
体育の時間に輝いている彼女を見て、まりあはうらやましくてね。
その子はバレー部で、キャプテンとして頑張っていたんだけど、
身長が高くなかったこともあって、中学時代しか活躍できませんでした。
高校には進学したのですが、途中でやめてしまったらしくてね、
まりあは学校帰りに、ティッシュ配りのバイトをしている彼女を見ました。
髪を金色に染めて、ハデなお化粧がまったく、似合ってなくてね。
それでも、まりあと目が合うと、明るく声をかけてくれました。
クラスメートだった時はね、まりあは優等生に見られていたので、
彼女と親しかったわけではないんだけど、まりあは彼女が好きでした。
だから、声をかけてくれたことは、とてもうれしかったんだけど、
それと同時にね、彼女の境遇が、かわいそうだと思いました。
中学生時代の彼女は、スポーツの分野で輝いていたのに、
けっきょく先生たちは、勉強以外の才能を認めてあげなかった。
複雑な家庭で育っていたから、素直ではなかったかもしれないけど、
内面はやさしい子だった彼女のことを、だれも理解してあげなかったんです。
いまでも、ティッシュ配りをしていた彼女のことを思うと、心が痛みます。
だれか大人がひとりでも、彼女の才能を認めてあげれば、
いまごろはスポーツの世界で、活躍していたかもしれないのに。。。
”学校教育ってなんだろう?” と、まりあは強く、疑問をもちました。
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東京の大手メーカーでの勤務を経て、
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